パンデイロは本場のブラジルメーカーのみならず様々な楽器メーカーで制作・発売されているのですが、個人作家さんによるパンデイロというものも存在します。
日本の個人作家さんによるパンデイロは日本人に合わせた仕様になっていて非常に使いやすく僕も大切に使わせていただいています。
その中でも特に愛用している「percusanga(ペルクサンガ)」のパンデイロを今回ご紹介していきたいと思います。
ペルクサンガってどういうパンデイロ??
メーカーとのパンデイロは何が違うの?
日本人に向けられた作りなので非常に扱いやすいですよ◎
ペルクサンガとは
ペルクサンガは京都在住の職人によって製作されているハンドメイドの楽器です。
パンデイロを含めブラジルの打楽器を軸に製作されています。
ブラジルの打楽器は誰でも気軽に始められる敷居の低さや、楽器の種類も多く大所帯のアンサンブルに対応しますので、結果楽器を介した人との交流が生まれやすい等ポジティブな面があります。しかし簡素な作りのものも多いので耐久性に不安があることや、楽器の扱いで非常に体力を要するといったデメリット面でも特徴があります。
パンデイロも例に漏れず扱いに苦労する楽器なのですが、ペルクサンガは「日本人のサイズや体力に合った楽器制作」をコンセプトに制作されているため、非常に日本人にとって扱いやすい楽器となっています。
そして私自身5年以上ペルクサンガのパンデイロを使用していますが、壊れることなく未だ使い続けています。
デメリット面である耐久性については僕自身使い続けているのでしっかりした作りであることを実感していますし、ボディの軽量化によって負担が軽減されているなどこれまでのパンデイロにあったデメリットを解消してくれている大変優れたパンデイロとなっています。
ペルクサンガの特徴
軽量化
ブラジルの打楽器は独特な奏法が多く、パンデイロはその代表格です。
その独特な奏法によって生じる手や腕への負担が楽器を始めたての頃はとても大きな負担に感じることになります。この負担がきつくて挫折する方も多いです。
負担に関して深掘りすると、パンデイロの独特な奏法が主な要因ではありますが楽器自体の重量もしっかり関係してきます。演奏しているとだんだんと重く感じてきて、途中で振れなかったり持てなくなってしまうんですね。
ペルクサンガのパンデイロは既存のメーカーと比べると約100グラム程の軽量化を実現していますので重量による手や腕への負担が驚くほど軽減されています。
この軽量化の実現は「日本人のサイズや体力に合った楽器制作」というコンセプトがしっかり反映されていて、始めたての方にとっても挫折しにくく長くお付き合いできる楽器だと思います。
ジングル
ジングルは真鍮(しんちゅう・ブラス)が採用されていて、タイト過ぎない響きとシャリシャリとした質感が合わさって、うまく言えないのですがガチャガチャとした感じは無く上品な響きに感じます。
このパンデイロ自体アコースティックなサンバ向けとのことでしたが、まさに少人数でのバンド編成にはとてもピッタリな音質です。
ジングルに関してはジングルの間にブリキを挟んだタイプのものもあります(画像は無いタイプです)
こちらどういう事かと言いますと、ジングルの間に中板を挟むことでジングル同士の衝突による音(倍音)がカットされます。カットされることで中板が無い場合と比べ音が落ち着いた印象になります。ミュートの役割ですね。
画像のジングル部分に白いプラスチック製のものが挟まれておりますが、こちらを挟むことでジングルの鳴りを抑えてくれます(付け外し可能です)
中板にせよこちらのプラスチックのものにせよ、完全に音をミュートするわけでは無いので、さらに細かい調整ができる細工となっています。
画像ではジングルは5枚のタイプですが、6枚タイプのものもあるみたいです。
ジングルに関しては別の記事でも書いていますので良かったら読んでみてください。
https://machbrasil.com/pandeiro_single/ヘッド
ヘッド部分は無漂白の山羊皮を採用し、脱毛剤や漂白剤は一切使わずに毛を丁寧に剃り上げただけの非常に「元の状態」に近い形で使用されています。
なるべく皮へ負担をかけないところに素材へのリスペクトと楽器製作のこだわりを感じます。
皮の色が茶色っぽいのはそういう理由なんですね
またメーカーのパンデイロは皮が結構厚めなのですが、ペルクサンガは薄めの皮を使用されているので音が鳴りやすく、倍音を含んだ広がりのある低音を実現されています。
初心者の方にとっては音を出すまでが大変だったりもするので、音が出しやすいというのも大きなポイントですね。
ただ皮が厚い方が低音の輪郭がはっきりとしている印象ですので、目的によっては合わないと感じる方もいるかもしれません。
個人的には、ペルクサンガは低音とジングルの響きが非常に相性が良いと感じています。
皮が薄いことも関係しているのか、ジングルの倍音と低音の倍音がどちらも行き過ぎずマッチしていて非常に心地良いです。
ボディ(胴体)
ボディはゼブラウッド、ウォールナット、ケヤキ、ブビンガ、の4種類から選べるみたいです。(コイズミ楽器の通販ではユーカリも確認しています)
僕が使用しているのはウォールナットです。因みに選べるのは公式ホームページを見るまで知りませんでした笑
店頭に全種類置いている可能性は少ないと思うので店員さんに確認するか、直接ペルクサンガさんに依頼するという方法だと確実だと思います。
因みに重量も要望に応えてくれるみたいですので、拘りたい方は直接問い合わせることをおすすめします。
仕様詳細
画像で使用しているパンデイロはペルクサンガのタイプ1になります。
以下公式からの引用ではありますが、全体の詳細です。
ヘッド | 山羊皮 |
---|---|
ジングル | 真鍮・5枚 |
リム | アルミフラットリム |
サイズ | 10インチ |
テンション数 | 6 |
重量 | 約300〜380g |
胴高 | 約43mm |
購入できる場所
ペルクサンガをネットで探してみましたが、主要のネットショップ等(楽天・アマゾン・Yahoo)では取り扱いがなさそうですね。
安心して購入できるのは以下3店舗となります。
ペルクサンガ(京都)
民族楽器コイズミ(京都)
JAPAN PERCUSSION CENTER(ジャパン・パーカッション・センター)(東京)
お店では実際に手に取って確認できると思うので、お店に行ける方は是非一度手に触れて確認してみてほしいです。軽量さと音の綺麗さに本当に驚くと思います。
まとめ
京都産のパンデイロ、「ペルクサンガ」について書きました。
パンデイロにドラム的な役割を求めている方というより、ボサノバやアコースティックなサンバで使いたい方に非常に相性が良いと思います。
価格は約3万代とメーカー物に比べると高い価格設定ですが、お値打ち以上にそのクオリティを実感することになるので間違いなく「買い」のパンデイロです。
この一台があれば挫折することなく末長く良いお付き合いができると思います。
パンデイロに関して他にも色々と記事を書いていますので良かったら覗いてみてください。
お問合せフォームから様々なご質問・ご意見も受け付けておりますのでお気軽にお問合せください◎
最後までお読みいただきありがとうございました。