パンデイロを始めたての頃って1曲完走するのが難しいですよね。
慣れないうちはパンデイロを握っている握力が弱ってきたり、手汗で滑ったりで持っていることすらままならなくなってきます。もっと掴みやすければやりやすいのでは?と何度思ったことか。。
そうした中、より軽量のものを探しているうちにそこで1つのパンデイロに出会いました。
それは、胴体が通常のものより浅いパンデイロです。
摘みやすいやつあるじゃーん!と歓喜し即購入、その後何年か使用しました。
今回の記事では、実際に使用した経験を基に浅胴タイプの紹介&感想を書いていきます。
初心者は浅胴タイプが良いの?
浅胴だと軽いから扱いやすいのかな?
こういった疑問に向き合います
浅胴モデルとは?
浅胴モデルとはボディの木枠部分の高さが低いモデルのことを指します。
メーカーによって胴の高さは微妙に違いますが、約40mmですと浅胴の類になります。
ちなみに平均の高さは45mm程です
パンデイロは楽器メーカーによって胴高が微妙に違うのですが、さらに同じメーカー内でも胴高を明確に分けて制作しているメーカーもあります。
僕が実際に使用した浅胴モデルは下記2つのメーカーです。
- CONTEMPORANEA( コンテンポラーニャ)
- PARKA(パーカ)
単純に浅胴タイプは胴が浅くなっている点が特徴であって、他は特に変わった仕様はありません。しかし、40mmと45mmは実際に使用すると数字以上に明確な違いがあります
浅胴のメリット
実際に使用してみて感じたメリットは2つありました。
- 裏面のミュートが届きやすい
- 胴が高いものに比べ軽い
①のメリットについて掘り下げます。
裏面のミュートで指が届きやすい
パンデイロの演奏では低音の音色を変化させるために裏面を指でミュートする奏法があります。
実はこの作業、指が短めの人だとちょっと大変なのです。。
下画像をご参考ください。ミュートをする際は指を裏面に当てるのですが、通常のパンデイロの高さだと指が短かったり手が小さいと当てづらいんです。
しかし浅胴の場合は裏面までの距離が近づくので、裏面ミュートが通常に比べるとすごく楽になりました。
ミュートの奏法は下動画をご参考ください。7:00〜始まります。指の動きが分かりやすいです。
7:00〜ミュートの指の動きが見れます
浅胴のデメリット
実際に使用してみて感じたデメリットは以下の点です。
- 浅くなったことで持ち手の指先が裏面にぶつかる
- 裏面にぶつからないように指を曲げるため、結果持ちにくい
次の画像を基にデメリット部分を深掘りしていきます。
指先が裏面にぶつかる
「裏面のミュートがしやすい」というメリットでもあった部分がそのままデメリットにもなります。
浅胴になったことで打面への距離が近くなったことは良いのですが、持ち手の指が打面に当たってしまいます。それが①の状態です。
僕の手は相当小さい方ですので(男性で自分より小さい人に会ったことがありません)、通常の男性の手のサイズでは僕以上に指が当たると思います。
指を曲げて持つので結果持ちにくい
指先が当たっていると常にミュートされている状態になりますので、それを避けるべく打面から離そうとすると②のように指が曲がってきます。
そして、指が曲がった状態でパンデイロを叩いていると握力に負荷がかかります。
演奏中は常に①と②の問題がつきまとい、最悪演奏中にベストポジションを探るようになります。 そうなると左手に力が入り過ぎた状態が続き握力が低下、結果持続できなくなるという悪循環に陥ります。
以上の理由から浅胴は持ちにくいと感じました。
浅胴で勘違いしてしまった点
これは失敗談ですが、当時の僕は浅胴なら軽いし浅くなる分握りやすいだろうと思い込んでいました。
パンデイロ練習していると握れなくなるくらいキツくなるから持ちやすい方が良いって安易な考えだったんですね。
しかし後から気付いたのですが、そもそもパンデイロって握らない方が良いんです。
ぎゅっと握るような持ち方をしていると、胴高関係なく疲弊します。
持ち方を見直すことで胴高があまり影響しなくなったので、もし「握りやすい」「軽いもの」という考えで検討されているとしたら、持ち方を見直すことが根本的な解決に繋がるのではないかと考えます。
持ち方を見直すと発見が多かったです
浅胴がオススメな人
上記の理由でデメリットの方が多く、個人的に浅胴はあまりおすすめではないのですが、
- 手や指が小さく細い人(通常の胴高で裏面のミュートが届かない人)
平たく言うと女性ですね。
持ちやすい・値段も手頃・重量も軽め
といった感じで手の小さい女性にはメリットが多いと思います。
逆に手が大きいと持ちにくくなり、買い替えを検討し始める機会がいずれやってきます。(知り合いに3人います)
それなら初めから通常の胴高を購入したら良いのでは、と思うのが僕の考えです。
通常の胴高でも軽いものはある
実は通常の胴高でも軽いものは存在します。
先に挙げたParkaさんでは通常の胴高でも約310gという超軽量パンデイロを制作されています。(コンテンポラーニャの浅胴モデルが約370g)
国内産は軽量化を重視してくれているので、初心者には特にオススメです。
まとめ
パンデイロの浅胴モデルについて使用した経験を基に書いていきました。
以下まとめです。
- パンデイロの木枠のボディ部分の高さが浅いもの
- 通常のパンデイロの胴高は約45mmに比べ浅胴は約40mm
- 裏面のミュートがしやすい(指が届きやすい)
浅胴のデメリットは大きく2つありました。
- 指が裏面にぶつかる
- ①を避けるため、指を曲げて持つので結果持ちにくい
- 手や指が小さく細い人(通常の胴高で裏面のミュートが届かない人)
長年使用して愛着もあったのですが、個人的には浅胴タイプは使いづらかったです。
現在は胴高が通常でも軽量化されているものがあることや、持ち方を見直すことで胴高による影響はあまり感じなくなると思います。
特にParkaさんのパンデイロは通常の胴高でかなりの軽量化を実現されているのでオススメです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。