pandeiro

パンデイロとタンバリンの違いについて

パンデイロって楽器、見た目タンバリンにしか見えないけど何が違うの??

見た目からは想像もつかない音が出るパンデイロは見た目がタンバリンとほぼ同じなので、初見の方はそのギャップに驚かされることが多いと思います。

パンデイロとタンバリン、今回はその違いについて書いていきます。

パンデイロについての概要は過去の記事でご紹介していますので、良かったらそちらも併せて読んでみてください。

ブラジルの打楽器、パンデイロとは?? 近年様々な楽器メーカーや個人作家さんの制作によってパンデイロの種類が豊富になり、お店やYOUTUBEの紹介動画等見かける機会も多くなっ...

パンデイロとタンバリンの違いって何?

演奏方法も違うの?

こう言った疑問を解決していきます。

結論

早速結論ですが、パンデイロとタンバリンの違いは大きく3つあります。

大きな違い3つ
  • ジングルの向き
  • 打面の仕様(チューニングや皮の貼り方等)
  • 奏法と音色

見た目はほぼ同じでもこんなに違いがあります。

似て非なるものという言葉がありますがまさにその通り。

ただし、ポルトガル語でタンバリンのことをパンデイロと呼ぶので、括りは恐らくフレームドラムという括りで地域によって呼び方が違うものとかもあるのでそういう感覚なのかなと。

ですのでパンデイロは個人的にはタンバリンの1種という認識です。

では次に大きな違いについての深掘りをしていきます。

ボアノイチ

ジングルは色々呼び名がありますが当ブログでは「ジングル」で統一します

ジングル(プラチネーラ)

まず大きな違いはジングルの向きが大きく違います。

パンデイロはジングル2枚がUFO型のように組み合わさることに対して、タンバリンは2枚が並行に連なります。画像をご参考ください。

パンデイロのジングル
タンバリンのジングル

パンデイロのジングルはドラムのハイハットとそっくりですね。ちなみに物によっては中にもう1枚中板が入っています。

パンデイロはジングルがUFO型に閉じ気味なことや、ジングルが収まっている部分(以降「窓」で統一します)がタンバリンに比べると隙間に余裕がないこともわかると思います。
余白がない分ガチャつかないため、音がタイトな仕様となっています。

パンデイロ

タンバリンはパンデイロと比べると窓の隙間に余裕があり、ジングルも並行に連なっているので全体的に余白があります。余白の多さに比例してジングル音は大きくなるので、パンデイロよりもジングル音に広がりがあります。奏法でジングル音をコントールできますが、振った際の音量や音の広がりはパンデイロよりも派手な印象です。

タンバリンのデモ演奏

打面の仕様が違う

パンデイロとタンバリンの大きな違いその2は、打面の仕様が違うことです。
タンバリンにはヘッドレスタンバリンと言ってヘッド自体がないものもありますが、ここではヘッド付きタンバリンでの比較で話を進めます。

違いは主にヘッドに関することと、チューニングになります。

パンデイロの場合

パンデイロはタハーシャと呼ばれる金具を締めていくことで皮を張っていきます。
ヘッドの取り外しもタハーシャを外すだけで簡単に行えます。

このように金具を外すことで簡単にヘッドを交換することができます。

タハーシャを外すだけでここまで分解可能

チューニングに関しても、タハーシャを締めたり緩めたりすることでチューニングが可能です。日本は湿気が多いので皮は特に影響を受け緩みます。気候変化の影響を受けてもサッとチューニングを行えるのが良いですね。

また、お手入れもこのように楽にバラせるので簡単です。

タンバリンの場合

タンバリンはどうでしょうか?

タンバリンもメーカーによってはパンデイロと同じようにタハーシャタイプがありますが、他に接着剤&鋲で直接ボディに固定するものもありますね。吹奏楽で見かけるタイプはこのタイプの印象です。

下の動画はタンバリンの張り替え作業のものです。
後天的なチューニングは出来なさそうですね。湿気多い日とか緩まないのか気になります。

繰り返しになりますが、このようにタンバリンとパンデイロでは打面に関して若干の違いがあります。主にヘッドに関することと、チューニングですね。

現在ではタンバリンも様々な種類が誕生し、パンデイロのようにヘッド交換やチューニングが楽に行えるものもあります。

ただし、クラシックタンバリンとパンデイロは上記の点で明確な違いがあります。

奏法と音色

パンデイロとタンバリンの大きな違いその3は奏法と音色です。
奏法と音色の関係性は密接なのでセットでご紹介します。

パンデイロの場合

先にご紹介した動画をもう一度見てみましょう。

パンデイロの音の特徴の1つは深い低音なのですが、低音の処理は親指側は親指、指先側は人差し指or中指で叩きます。

タンバリンと違いパンデイロではこの低音も楽器の特性でして、活用する機会が多いためこの動画のフォームが基本フォームとなります。

詳しい音の出し方はまた別記事でご紹介します。

タンバリンの場合

次にタンバリンの奏法を見てみましょう
ヘッドありとなしそれぞれあります。

ヘッドあり
ヘッドなし

どちらの動画もジングル音を最大限活用した奏法となっています。

持ち味がパンデイロと違うのでフォームはパンデイロよりも自由な部分が多いのかと推察しますが、ゴンゾーさんのようにあれだけ動いても音はしっかりコントールするのは本当に素晴らしくて何度も見ちゃいます。

まとめ

パンデイロとタンバリンの違いについて書きました。
まとめますと、大きな違いは3つあります。

大きな違い3つ
  • ジングルの向き
  • 打面の仕様(チューニングや皮の貼り方等)
  • 奏法と音色


見た目が同じような楽器でも特徴は全然変わってくるので、それぞれの楽器の特性を掴んで楽しんでください。